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山口恵市 創出ノート 第1回 / 「伝えたいことを、伝えたい人に、確実に伝える」

株式会社ファヴールマルシェ 代表取締役社長の山口恵市です。本コラムでは私が思う、「つくる」、「伝える」、「売る」についていろいろと書いていくつもりです。

初回の今回は、「伝える」について書いていきます。

私は元々広告代理店でグラフィックデザイナーとして、商品のパッケージや広告物のデザインなどを行っていました。そのため、私自身の根幹には「伝える」ことの重要性が身に染み付いているように思います。

「伝えたいことを、伝えたい人に、確実に伝える」

上記の言葉は前述の広告代理店の社是です。この言葉が、私の中には今も深く根付いています。一見すごくシンプルな言葉ですが、実際にはとても重い言葉です。

商品やブランドを作るときには「誰に向けた」、「どういったモノか」という基本コンセプトを考えた上で作成するでしょう。そしてPRの際も、そのコンセプトに沿って伝えているはずです。
しかし、それが本当に狙ったターゲットに届いているのか、また、狙い通りに伝わっているのかは別問題です。

数年前に「ダサピンク」といった、フレーズがSNSなどで見受けられました。
女性向け商品として“とりあえずピンク”が用いられているけれど、女性の立場からすれば、“ダサくて使いたくない”商品=「ダサピンク」だ、というものです。

この「ダサピンク」現象は、開発者側の「女性といえばピンクだろう」という思い込み・固定観念で企画を進めた結果、実際のユーザーとして狙っていた女性に受け入れられないというミスマッチであり、「伝えたいことが、伝えたい人に伝わっていない」事例です。

また、逆に「伝えたいことが、伝えたい人に確実に伝わった」例として思い浮かぶのは、「明治ザ・チョコレート」です。日経トレンディが選ぶ「2017年ヒット商品ベスト30」の2位を獲得するなど、昨年大ヒットしたチョコレートですが、公式サイトを見るだけで「開発者の想い」が十二分に詰まったこだわりの商品であることが分かります。
そしてそのヒットの火付け役となったのがパッケージでした。従来のチョコレート製品とは違い、シンプルなクラフト調の用紙に、ロゴと箔押しなどを用いたデザイン性の高いカカオモチーフのイラスト。一見しただけでは「チョコレート」とは分かりません。
そのため、社内では「中身が見えない商品は売れないのでは?」といった意見もありましたが、それに対し、女性開発者が「あなたの年代がターゲットではない」とした、というエピソードも話題になりました。

「あなたの年代がターゲットではない」という一言はなかなかインパクトのある発言ですが、開発者自身も従来のセオリーに反した中身の見えないパッケージが市場で受け入れられるか、当初は不安があったそうです。しかし、ターゲットとする世代に対してアンケートを行った結果、非常に好評な結果が出たことで自信を持ち、数値で良好な結果が出ていると客観性のあるデータを示した上で発言に至ったとのことです。
そしてデータに裏打ちされたパッケージを採用した結果は、先に述べたとおり大ヒットとなりました。

これらの例から私が訴えたいのは、「伝えたいことを、伝えたい人に、確実に伝える」ためには、伝えたい人のことを深く知る必要があるということです。先に挙げた「ダサピンク」のように、「●●といえば、▲▲」という風に訴求するターゲットに対して思い込みで動いては、適切に伝えたいメッセージは伝わりません。

人は得てして自分が持っている知識や経験から物事を判断する場合がありますが、正確に訴求するには、そういった開発・制作者側の思い込みを一度リセットし、ターゲットに対してフラットな視点に立ち、「確実に伝えるにはどういう伝え方が良いのか」という点から考えねばならないのです。

これは、なにも商品やブランドのPRに限ったことではありません。日常生活や仕事に対しても同じことが言えます。

普段の生活にSNSが定着し、手軽に様々な人とコミュニケーションが取れるようになりましたが、一方で、手軽なツールだからこその弊害も出ています。テキストや音声だけでは、伝えたいことが伝わらないどころか、間違って伝わってしまうことさえあります。

正直、対面で話している場合でさえ「伝わっているのかな?」と思うようなときもあります。顔が見えない電話やメール、SNSでは尚更「伝わらない」ことがしばしばあります。
そのため、伝えたい内容やシーンによって、伝えるための手段を考慮する必要があります。

日々の生活でも「確実に伝える」ということを意識したいですね。

山口恵市

山口恵市

投稿者プロフィール

1980年生まれ、福井県出身。
株式会社ファヴールマルシェ代表取締役社長。
20歳で広告代理店にグラフィックデザイナーとして入社。
自身が主体となってブランドをつくりたいと考え、ECを利用したブランドビジネスを行っていた会社に転職。

2014年、株式会社ファヴールマルシェ設立の折に、社長就任。
以後3年で生み出したブランドは約10件、商品は累計50点以上にのぼる。

2018年7月に初の自著「ニッチブランド革命ーデジタルマーケティング時代のヒットの法則ー」を上梓予定。

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