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インタビュー「DINETTE株式会社」

自社の美容動画メディア「DINETTE」からユーザーの声を拾い上げ、 PB商品「PHOEBE BEAUTY UP」のまつ毛美容液を開発

ビューティーに特化した動画メディア「DINETTE」を運営しているDINETTE株式会社では、ユーザーの声を元に2019年2月にPBブランド「PHOEBE BEAUTY UP・まつ毛美容液」を発売。メディア運営を活かし、インフルエンサーを使ったプロモーションで販路を拡大しています。起業から商品開発までのストーリーやプロモーション手法、今後の展望などについて、代表取締役社長 尾崎美紀さんにお話を伺いました。

女性目線で情報発信する美容動画メディア「DINETTE」

DINETTE株式会社 代表取締役社長 尾崎美紀さん

━━「DINETTE」を立ち上げたキッカケを教えてください。

尾崎 大学1年生の終わり頃から芸能活動をしていたんですけど、大学4年でいったん芸能活動をやめて就職活動をしたんです。ある企業から内定をいただいたのですが、そこで働くことを考えたときにワクワクしなかったんですよね。それで他にやりたいことがないか考えるようになったとき、ちょうど男性が運営する某料理メディアが話題になっていたんです。そこで、男性に料理の情報発信ができるなら、女性向けプロダクトとかにすれば女性目線の発信ができるのではと思いました。
もともと美容に興味はありませんでしたが、芸能活動をしていたときにプロの方にメイクをしてもらうことで、自分が変わっていくのがすごく楽しかったんですね。それをキッカケに趣味でコスメを集め始め、友達とメイクし合ったら褒められるようになったんです。これが嬉しくて、さらに美容が好きになり、美容について発信できたら楽しそうだと思ったんです。それで4年生のときに起業して、ビューティーに特化した動画メディア「DINETTE」を作りました。

ビューティーに特化した動画メディア「DINETTE」では、さまざまな美容情報を発信しています。

━━今はさまざまな形で情報発信することができますが、なぜ動画メディアにしようと思われたのですか?

尾崎 動画メディアを選んだ理由は、メイク方法は雑誌だと伝わりづらい部分もありますし、そもそも一般的に雑誌があまり読まれなくなったと感じたからです。また、代表的な美容系メディアは30~40代向けと思えるものしかありませんでした。実際20代の人に聞くとあまり見ていなかったので、若い世代の役に立つ今っぽいメディアを作りたいと思いました。そこで作り込み過ぎず、感度が高過ぎないものをイメージして作り始めました。

━━メディアを始める際、何かPRなど行いましたか?

尾崎 全く行っていません。最初は友達くらいしか見てない状態でした。ただ、流行のワードやキャッチコピーの付け方など研究してサムネイルを30個くらい付けていったら、少しずつコツが掴めてきたんです。半年くらいで、Instagramのフォロワーが3万くらいになりました。

━━今はYouTubeをはじめ、美容系の動画メディアがたくさんありますが、どのように差別化されていますか?

尾崎 似たものがたくさん出てくるのは仕方がないことだと思っています。私たちが徹底しているのは「ユーザーさんとの距離を大切する」こと。コメントやDMなど、ユーザーさんのリアクションには真摯に対応するようにしています。例えば、Instagramのストーリーに投稿すると、リアクションしてくれる方が1日に100人ほどいます。そこは一つひとつ丁寧に対応しています。つまり、DINETTEのファンを大切にすることが結果として差別化に繋がっていると思います。

ユーザーの声からPB商品「まつ毛美容液」を開発

ヒト幹細胞養液を配合した「PHOEBE BEAUTY UP」のまつ毛美容液

━━PBブランド「PHOEBE BEAUTY UP」のまつ毛美容液は、そうしたユーザーの声を受けて開発されたのですか?

尾崎 そうです。ユーザーさんとの距離が近くなったので、リアルな声を拾いやすくなりました。ストーリーで質問を募集したり、アンケートが取ったりすると、悩んでいることや、こういうものがあったら良いなど、皆さん自分の思いを伝えてくれるんですよ。それがうちの強みなので、データ化して商品にできないか、というところから動き出して、最初に開発したのが「まつげ美容液」です。

━━いろいろな声がある中で、なぜ「まつげ美容液」だったのでしょうか?

尾崎 ユーザーさんの声を集計して、目元、肌、唇、ボディなど部位別に数値化したんです。そのとき一番多かったのが目元だったんですよ。皆さん目を大きく見せたい、スッピンを可愛く見せたいという気持ちが大きいんですね。それは自分の素材を活かせるものを求めているということなので、その時点でまつ毛か目元クリームのどちらかだと思いました。そこで市場を調べたところ、美容液はニッチですが伸びていたので、「まつげ美容液」にしたんです。

━━「まつげ美容液」は他社からも発売されていますが、独自の特徴やこだわりはどのような点にありますか?

尾崎 効果が出ると言い続けても、成分にポイントがないと惹きつけられません。そこでPHOEBE BEAUTY UPのまつ毛美容液は「ヒト幹細胞」を選びました。これはiPS細胞に近いものです。最近、美容業界で話題になっているので、信用性が高まると考えたんです。
また、ターゲットは10代後半から30代で、メインが20代なので、アメリカや韓国の商品を見習って、パッケージから可愛くするといったことを全商品で工夫しています。

インフルエンサーを使ったプロモーションで販路を拡大

━━発売の際に、どのようなプロモーションを行ったのですか?

尾崎 メディア掲載も大事ですが、影響力のある人が良いと言ってくれると信用性があるので、「その人が言うから買おう」ってなるんですね。ですから、まつげ美容液は元美容部員で現在メイクアップアーティストとして活動しているインフルエンサーの小林加奈さんをディレクターとしてアサインしました。
また、「ディネットガールズ」と呼んでいる千人以上のインフルエンサー集団がいるので、サンプリングをしました。それを発売日から1週間以内で一斉に行ったら、嬉しいことに完売しました。
他にも、可愛いパンフレットやステッカーシールを入れたり、オリジナルの挨拶状を作ったりするなど、購入して良かったと思ってもらえるような施策はいろいろやっています。

━━2019年11月には、PHOEBE BEAUTY UPの第2弾「フェイスマスク」を発売されましたが、こちらもユーザーの声を元に商品化されたのでしょうか?

尾崎 はい。ユーザーさんの声で目元の次に多かったのが肌でした。皆さん、化粧水や乳液は自分の好きなものを持っていますよね。だから、そこにプラスして可愛くなれる商材を考え、フェイスパックにしました。週1回のスペシャルケアのようにデートや大事な仕事の前など、大切なタイミングで使ってもらえるかなと思って開発しました。こちらも、肌の悩みが解決できるよう、ヒト幹細胞を入れた商品です。
また今回は、女性誌の人気スタイリストでインフルエンサーとしても活躍中している丸林広奈さんをディレクターにアサインしたので、大手出版系の雑誌にも載せていただきました。

2019年11月に発売された、PHOEBE BEAUTY UPの第2弾「フェイスマスク」

多くの商品を開発してブランドを確立させたい

━━最後に、今後の展望を教えてください。

尾崎 今はメディアを伸ばしていくというより、ブランドを作りたいという気持ちが大きいですね。以前は情報発信のプラットフォームだったメディアが、今は同時にユーザーさんからも情報を受け取る、コミュニケーションツールに変わっています。作りたい商品も2022年頃まで決まっているので、PBブランドを確立させていきたいですね。

DINETTE株式会社
CEO&FUNDER
尾崎美紀(おざきみき)さん

DINETTE株式会社

東京都渋谷区鉢山町13-12
Ms REIKO72 3階
TEL:03-6260-8737

URL:https://dinette.me/

撮影:安場 郁

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