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インタビュー「HEART CLOSET / 株式会社122」

胸の大きな女性の悩みを解消!
「胸のサイズから洋服を選ぶ」
アパレルブランド!

自身の経験から胸の大きい女性たちが着る服に深く悩んでいることに着目し、
胸の大きい女性のためのアパレルブランド
「HEART CLOSET」を立ち上げた代表の黒澤美寿希さん。
ターゲットを絞り、他のアパレルブランドとの差異化を図ったことで成功した
「HEART CROSET」について黒澤さんにお話を伺いました。

Dカップ以上の女性のためのファッションブランド

株式会社122 黒澤 美寿希さん

━━「HEART CLOSET」について詳しく教えていだけますか?

黒澤 「HEART CLOSET」は、バストサイズがDカップ以上の女性のためのファッションブランドで、ビジネスシーンで着用することを想定したトップスやワンピースを中心に展開しています。胸の大きい女性が抱えている、「バストサイズが合わなくて周りの視線が気になる」、「可愛い洋服が似合わない」といったお悩みに真剣に向き合い、『胸のサイズから洋服を選ぶ』という新感覚のファッションブランドです。

━━具体的に、商品にどのような工夫が施されているのですか?

黒澤 まずは胸の部分の立体裁断です。市販の洋服だと前身頃の胸の部分が引っ張られるので肩の方も引っ張られて動かしにくくなったり、裾があがってしまったりすることがありますが、立体裁断で胸の大きさをしっかりと包み込むように縫ってあります。さらにシャツの場合は、胸の位置に隠しボタンを採用しています。これにより、トップバストとアンダーバストの高低差によってボタンの隙間からブラジャーや胸が見えたりするのを防ぎます。さらに、胸の大きさで前身頃の着丈が上がって裾が出てきてしまうのを防ぐために、前丈を3㎝ほど後ろ身頃より長めにデザインにしています。また胸とのバランスを考え、シャツの襟の大きさを約1.2倍にしたり、襟の位置を下にずらしたりして、胸が強調されて見えないようにするなど、さまざまな工夫を施して、胸の大きい人が安心して着られるようにしています。

胸の大きい女性が、安心して美しく着られる洋服を作りたい

━━「HEART CLOSET」を立ち上げた経緯を教えてください。

黒澤 私は5年前までゲームのグラフィックやアプリの開発をしている会社で勤務し、その後同じゲーム関連で起業しました。立ち上げた会社が軌道に乗ってきた頃、「自分が本当にやりたいことは何だろう」と考えたときに、「自分の着る服がないので作りたい」と思ったんです。私は胸が大きいため、体のサイズに合わせて洋服を選ぶと胸のボタンが閉まらなかったりして、着られる洋服がほとんどありませんでした。
ブラジャーはアンダーバストとトップバストの組み合わせで約70種類ほどにサイズが細かく分けられていますが、市販の洋服は男性と同じように体型別にS・M・L表記です。しかも今の洋服はBカップを前提に作られているものが多いんです。でも実際は、SサイズでAカップの人もいればHカップの人もいます。Eカップの人がSサイズの洋服を着た場合、Bカップのブラジャーを付けているようなものなんです。バストサイズがBカップから離れていけばいくほど、市販の洋服が体に合わない度合いは増していきます。これでは洋服として成立しないですよね。
このことはさまざまな悩みを引き起こします。まず、着られる洋服が限られてしまうこと。また、洋服が体に合っていないことで胸が強調されてセクシーに見えすぎてしまったり、胸に合わせて本来の体型よりも大きいサイズを着用することで実際よりも太って見えてしまったりすることもあります。

━━日々の生活において、そうした問題があるのは大変ですね。

黒澤 洋服というのは社会的な側面が強く、こうした状況は精神的に負担となります。私自身、胸が大きいので、その辛さは身にしみて感じています。洋服を着るのは毎日のことであり、仕事や冠婚葬祭などTPOに合わせる必要がありますが、胸が大きいとサイズが合わず、無理やり着るしかありません。胸の大きい人は、決して胸を小さく見せたいとか隠したいと考えているわけではありません。「嫌な思いをすることなく安心して着られる」のは大前提で、その上で自分の体に合ったものを着て美しく見せたいんです。そうした思いに応えるために、アパレルは未経験でしたが2015年12月に「HEART CLOSET」を立ち上げました。

クラウドファンディングを利用して、市場調査とPR

━━アパレル未経験からのブランド立ち上げに不安はありませんでしたか?

黒澤 不安よりも“自分の着られる洋服がない!”ということの方が大きかったですね。それに、事業を始めるにあたり、私と同じような悩みを持っている人が多いのか、どれだけターゲットがいるのかをきちんと調査しました。日本人女性の体型はどんどん変化していって、20年以上前はAカップが6割でしたが、今は5%以下。今や過半数以上の女性はDカップ以上あるんです。また、胸の大きい女性たちにヒアリングをしたところ、みんな私と同じように「自分の体に合った、安心して着られる洋服で美しく見せたい」と考えているのが分かりました。ニーズがあり、下着と違って競合する他社もいなかったので、不安はありませんでした。

━━2016年6月に、クラウドファンディングを利用されていますが、それも市場調査を兼ねていたのですか?

黒澤 そうですね。まず、シャツとジャケットの先行販売をクラウドファンディングで行いました。ECサイトを制作して販売するほどニーズのある商品かどうかをテストマーケティングするのと同時に、PRにおいても有効だと考えたからです。単純にプレスリリースを出すだけでは宣伝効果として弱いですが、クラウドファンディングを使うことで特別な舞台に乗せることができます。結果、1カ月で目標金額の1200%を達成し、ニーズがあることも分かりましたし、テレビ、雑誌、ニュースメディアなど、国内外含めて200媒体以上に紹介していただいてPR効果もありました。

グラビアアイドル 今野杏南さん

━━「HEART CLOSET」では、グラビアアイドルの今野杏南さんを起用されていますが、それもメディア戦略の一つですか?

黒澤 そうですね。一般的にファッションモデルさんは体型が細く華奢な方が多く起用されていますが、そういった方は弊社のブランドイメージと符合しないんですよ。胸の大きいモデルさんっていないんです。でも今野さんは、弊社の洋服を着ていただいたときにシルエットや着こなしが綺麗に見えるのでお願いしました。

━━実店舗での販売についてはどのようになさっていますか?

黒澤 EC中心で行っていますが、多くの百貨店さんからオファーをいただいています。そごう西武池袋本店さんでは期間限定ショップを何度もやらせていただいています。沖縄や新潟から、わざわざ足を運んでくださるお客様もいらして、「HEART CLOSET」の商品が求められているということを実感しました。また1カ月の予定で用意した商品が1週間で売り切れてしまうなど、大変好評をいただきました。

━━飽和状態と言われることもあるアパレル業界ですが、隠された消費者ニーズがあったんですね。

黒澤 男性はもちろん、同じ女性でも、胸の大きい人でなければこうした悩みにはなかなか気づきにくいと思います。気づかないのは仕方ありませんが、もし悩みを相談されたら、切り捨てることなくきちんと耳を傾けることが大切です。そうすれば、当事者でなくともそこに満たされていないニーズがあることに気づけるのではないでしょうか。

今秋にブランドの全面リニューアルを予定

━━今後のビジネスの展望を教えてください。

黒澤 これまでは働くシーンで活躍するアイテムとして、シャツやジャケットを多く展開してきましたが、今年9月を目処に、ブランドの全面リニューアルを行います。女性のオフィスファッションは、男性の「シャツ+スーツ」のように決まったものではなく、もっと自由度が高いものです。これまでの事業で、私たちの商品の機能をお客様にご理解いただけていると考えています。そこで今後はさらにファッションを楽しんでもらえるようなアイテムを充実させる予定です。女性が社会へますます進出し働く環境を快適にすること、自己表現を豊かにすることが求められている今、より時勢に相応しいブランドにしていきたいと考えています。

株式会社122
HEART CLOSET 代表
黒澤 美寿希(くろさわ みずき)さん

株式会社122
〒141-0021
東京都品川区上大崎2-13-35
KIビル5F
TEL06-6147-2910
URL:http://heart-closet.com/

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