クラウドファンディングに挑む【第4回】
- 2018/6/20
- 特集記事
- クラウドファンディングに挑む
- bragoku編集部
周りの協力を得てプロジェクト公開に向けた準備が完了
無事に撮影が終わったものの、プロジェクト公開に向けては文章作成、デザイン、金額設定などやるべきことが山積みだった。
当初、文章作成とデザインは他の社員の協力を得て制作することを考えていた。しかし社長から「想いを伝えるためには自分で作ったほうがいい」との助言があり、すべて一人で製作してみることにした。
デザインはこれまでに十分経験していた。また文章についても、会社のLP(ランディングページ)を作った実績があったので、それらの経験を活かして自分の想いを制作物に込めた。
「社内にサバイバルゲームが趣味の人がいたので、その人をペルソナと見立てて文章を考えました。自分が好きなもの、かつ、自分が企画したものなので、自然と熱がこもって文章が長くなりすぎてしまって…。簡潔に伝えるのに苦労しました。最後の校正だけは、同僚に元雑誌編集者がいたのでお願いしました」
なかでも苦労したのは金額設定だったという。
“ミニマムロットから商品を生産し、物流システムを利用して支援者に届けるまでにどれくらいコストがかかるのか”
適性価格を決める上で、様々なプロセスを加味したコスト算出が必要だが、商品作りが初めてだったため、そういった知識がなかった。
「商品を作って販売する以上、原価率を計算するのは当たり前のことですが、初めてのことで全く知識がなかったので社長に一から教えていただきました。
ウェザリングウェアを支援者まで届けるためには、泥染めをしてもらうためにTシャツを東京から奄美大島に送り、その後は加工をしてもらう加工会社、そして物流センターへ…という製造プロセスを経る必要があります。その運送費や人件費などコストがどれくらいかかるのか算出するために、今まであまり使わなかった電卓を毎日使うようになりました(笑)」
社長をはじめ、元カメラマン、元編集者など、周りの社員の力を借りながら、なんとかクラウドファンディングのサイトに公開するページが完成。
これですべて準備が整ったわけだが、マクアケさんから『スタート時点で3割ぐらいの支援者の人を募っていないと、周りの人の共感を得るのが難しい』とアドバイスをもらっていた小寺さんは、サイト情報制作と同時に情報拡散のための新たな施策を練っていた。
「まずはInstagram(インスタグラム)で写真投稿を始めました。プロジェクト公開までの約1カ月で400人ぐらいのフォロワーを集めることができました。
他にもFacebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)とSNSを活用することで多くの人たちと交流をもって情報を発信していきました。
あとはオフィシャルページを作ってウェザリングウェアを作りたいという想いを伝えていきました。
また、公開後にはなりますがモデルを務めてくれた乙夜さんのマネージャーさんの繋がりで、ウェザリングウェアを軍事専門誌で取り上げてくれることも決まり、そちらも情報拡散に繋がるかと思います。」
クラウドファンディングサイトの運営会社をマクアケに決めてから約1カ月。限られた時間の中でプロジェクト公開に向けてやるべきことを全てやり遂げた。
そして2018年3月23日、いよいよ「ウェザリングウェア」のクラウドファンディングがスタートした。
第5回へ続く・・・