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クラウドファンディングに挑む【最終回】

アルテック・ラボとの最終打ち合わせから2週間が経過した8月下旬、すべての工程が終了しウェザリングウェアが完成。商品を手にしたお客様がどんな反応をするのか、期待と不安が入り混じりながら、一つひとつ思いを込めて商品を発送した。そして今回のクラウドファンディングでの成功が新たな挑戦への始まりとなった

構想から約1年、ついにウェザリングウェアが完成

8月上旬、愛知県にあるアルテック・ラボ本社を訪れ、ウェザリングウェアの製作に関してすべての作業が終了。納品までの約2週間は、同梱物や梱包ケースの製作など、発送準備に向けた最終作業に追われた。そして8月下旬、いよいよ待ちに待ったウェザリングウェアが納品された。

「商品が届いて箱を開けるときは少しドキドキしましたが、実際に手にすると、すごくカッコ良くて想像以上の仕上がりでした。レザー生地を付けてもらったことで製品としての完成度が上がり素晴らしいものが出来たので、早く購入者の元に届けたいと思いました」

商品が到着した翌日には梱包して発送が完了。しばらくすると、購入者から感謝や喜びの声が続々と届いた。
その一部を公開すると、

・光の当たり具合によって雰囲気が変わります。レザーのポケットがカッコイイ。ウェザリング加工をしていますが、着続けていくことで自分らしい色にしていきたいです。

・職人さんのこだわりがたくさん詰まっていて豪華です! パッケージやメッセージも工夫されていて素晴らしい。

「皆さん企画に共感して購入してくれましたが、実際に喜びの声を頂くと、本当に今回挑戦して良かったなと思いました」

構想から約1年。
最終結果は目標300,000円に対し、340,500円(支援者24名)。
全く未経験の分野に0から挑み、最初は不安もあったというが、小寺さんとって今回の経験は大きな財産になった。

「何よりも、この企画に共感してくれた人がいたという事実がとても嬉しかったです。会社で“ブランド創出事業”に取り組んでいますが、今回のクラウドファンディングを通して、自分が考えるニッチと会社が進めているブランド創出事業の方向性が合っていることを再確認することができました。また今回の挑戦で、一つのアイデアを具現化するためには様々な人たちの協力が必要だということを改めて感じました」

そして、今回のチャレンジを通して一番感じたことは、

1の商品を10にするよりも、0から1を作り出すことの方が難しい

ということだった。

その商品が本当に必要な人が企画に共感して一緒にブランド作りをするというクラウドファンディングの仕組みは、ファヴールマルシェで進めているブランド創出事業にも当てはまる。そして、多くのことを吸収した今回の経験が新たなチャレンジの始まりとなった。

新事業「アパレルのカスタマイズ」にチャレンジ

クラウドファンディングを進めていく中で、この経験を活かして何か新しい事業にチャレンジしたいと漠然と考えていた。新事業のアイデアが思いついたきっかけは、今回協力してもらった金井工芸とアルテック・ラボとの出会いだった。金井工芸では、「REWAER」という古くなったシャツなどを染め直す企画を行っている。小寺さんは、金井工芸の“一点ものを大事にする”という趣旨に共感した。さらに、アルテック・ラボ本社を訪ね工場を見学した際に、その技術の高さに感銘を受けた。そこで、一点ものを大事にするという金井工芸の考えとアルテック・ラボの技術を掛け合わせて、「アパレルのカスタマイズ事業」というアイデアを思い付いた。

「金井工芸さんの一点ものを大事にする趣旨を聞いたときは、漠然と何か形にできたらと思っていました。そんなとき、アルテック・ラボさんの工場を訪ねて、アパレルのカスタマイズというアイデアを思いつきました。アルテック・ラボさんは、B2Cはほぼやっていませんでしたが、アルテック・ラボさんの高い技術と、弊社のECのシステムを合わせることで、B2Cでも展開できるのではと考えたんです」

会社に戻り、早速、社長に相談し、企画書と事業計画書を作成。その後、役員会で正式に会社の新事業として「アパレルのカスタマイズ事業」を進めることが決定した。

「今アパレルのEC通販はすごく成長していて、これからもっと活性化していくと思います。そこに、アパレルのEC販売として参戦するのではなく、アパレルのカスタマイズという新しいジャンルを展開していきたいと考えています。例えば、かなりニッチな例になりますが、大型バイクに乗られる方のレザージャケット。バイクに合わせてジャケットをカスタマイズをしたり色を変えたりして、自分の理想とする形にカスタマイズできる新事業にチャレンジし始めました」

[ Photo ] 企画のための集めた資料

クラウドファンディングのときとは違い、今回は正式に会社の新事業として動き出したこともあり、会社の利益に繋がる結果を出していかないといけないというプレッシャーもあるが、その分、やりがいも感じていた。

「今回の新事業は、私にとっても会社にとっても新しいチャレンジです。大変なことも多いと思いますが、今は絶対に成功させるぞという強い気持ちで準備を進めています。今までのアパレル業界は、誰かがデザインしたものを購入して着ていました。私が進める新事業では皆さん一人ひとりが考えたデザインや色を商品としてお手元にお届けします。新事業を必ず成功させて、みんながパーソナルなものを持てる時代にしていきたいです」

クラウドファンディングの挑戦がきっかけで、新たな事業を立ち上げることになった小寺さん。新事業がスタートするのは11月からになるが、アパレル業界に新風を巻き起こし、1年後、5年後、10年後とどのような成長を遂げていくのか、今後が期待される。

クラウドファンディングに挑む

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