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クラウドファンディングに挑む【第5回】

会社の同僚、モデル、泥染めやアパレル加工の会社など、さまざまな人たちの協力を得て、やっとの思いでページとサンプルが完成した。
そして、2018年3月23日━━、
いよいよプロジェクト公開の日を迎えた。
しかし、これですべてが終わったわけではない。
SNSなどを活用して情報を拡散するなど、公開後もさまざまな施策を講じて資金を募った。

オープン19日目で目標金額達成!

多くの社員や職人の協力を得て、3月23日のオープンを迎えた小寺さん。しかし、目標金額を達成するためには、ただ指をくわえて見ているわけにはいかなかった。
さまざまな形で情報を発信し、一人でも多くの人にウェザリングウェアのことを知ってもらう必要があった。

まずはオープンのタイミングに合わせてプレスリリースを打つことを決めた。
プレスリリース配信サービスのPR TIMESを利用することにしたが、配信できるのは3,000社あるメディアのうち300社。どのメディアに配信すれば情報として取り上げてくれ拡散に繋がるのか、きちんと吟味する必要があった。

「ウェザリングウェアのプレスリリースを主婦のアイデアサイトに送っても意味がないので、3,000社の中から、ファッション系やサブカル系、あとは泥染め関係で奄美大島の地元の人たちのサイトなど300社を選びました。その結果、50社が自社メディアに掲載してくれ、多方面に情報を発信することができました。プレスリリースの効果もあって、開始24時間でページへ5,000アクセスぐらいありました」

また、プロジェクト公開前から、Instagram(インスタグラム)、 Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)を活用して情報発信をしてきたが、オープン後、特に力を入れたのがInstagramだった。毎日一枚は投稿することを自分に課すことでフォロワー数を伸ばしていった。

「Instagramを始めたころは素材がなく、イメージ写真や金井工芸さんからお借りした写真などを載せていたので、なかなかフォロワー数が伸びませんでした。しかし、制作が進むにつれ素材が増えていったので、ウェアのサンプルやモデルの写真を投稿し始めたところ、フォロワー数が少しずつ増えていきました」

また、モデルを務めてくれたミリタリーアイドル乙夜さんの善意で、イベントの際にDMを配布してもらえることになったので、ウェザリングウェアを紹介する名刺サイズのDMを作った。こうしてSNS以外でも情報拡散することが出来た。

乙夜さんの協力やSNSへの投稿など、地道な努力を続けていった結果、順調に資金が集まっていった。ところが、日にちが経つとマクアケのトップページに表示されなくなったこともあり、達成率90%を超えたところで動きがピタッと止まってしまった。

その動きに比例するように、初日8位と好スタートを切ったアクセスランキングも下がっていった。定期的に活動レポートを挙げることでトップページに表示されるが、目標達成のために新たな施策が必要だと考えていた矢先に、支援が入った。こうしてプロジェクト公開から19日目に目標金額の30万円を達成する。

「なにか手を打たなければと思っていた矢先、急に目標金額を越えたので、ウワッてなりました(笑)。今回一番嬉しかったのは、金額的に一番高い2着セットが最初に完売したことです。会社で取り組んでいる『ブランド創出』の理念でもある1万人に一人が欲しいと思うような『ニッチ』という部分で、ウェザリングウェアの需要があったことが嬉しかったですね」

目標達成!製品化へ動く

目標を達成しプロジェクトが成功した小寺さんは、支援者へ商品を送るため製品化に向けて動き出す。
製品化への工程としては、1)泥染め、2)アパレル加工という、2段階の工程が有る。サンプルから完成品に仕上げるには、支援者の意見を取り入れるなど、更に改良が必要だった。

まずは、奄美大島の金井工芸による泥染め。ここで泥染めの工程を簡単に紹介すると、下記の通り。

1 チップ状に砕いたテーチ木(和名:車輪梅)を、大釜で2日間・合計16~18時間焚く
2 3~5日寝かせ、1週間ほどで染料作り終了
3 Tシャツをテーチ木の汁に浸けて素手で揉みこませて絞る(テーチ木染め)×10回
4 十分に浸かったら天日干しする
5 泥田に浸けてTシャツに揉みこむ
6 川で余分な泥を落とす
7 Tシャツを乾燥させて完成
※テーチ木染め10回に天日干し1回、泥染め1回を1つの工程として、それを3回繰り返すと、独特の黒が現れます

※金井工芸泥染め

これらの工程を経て行われる「泥染め」については、サンプル制作の段階で、金井志人さんとは打ち合わせを重ねていたため、製作も順調に進み、製品化に向けた第一歩となる泥染めが終了した。
次に第二工程のアパレル加工をしてもらうため、小寺さんは愛知県にあるアルテック・ラボを訪ねた。

第6回へ続く・・・

クラウドファンディングに挑む

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