CPM分析は売上を伸ばすために大切? 行う目的と方法まとめ
- 2018/11/14
- 売る
- bragoku編集部
ネットショップの売上を伸ばす上で、顧客の育成は重要なテーマとなります。しかし一口に顧客と言っても、新規顧客、何度もリピートしてくださる顧客など様々です。そこで今回は、顧客分析の中から「CPM分析」についてご紹介します。
CPM分析とは
CPMはCustomer Portfolio Managementの頭文字を取ったもので、顧客ポートフォリオマネジメントと呼ばれることもあります。
CPM分析は、購買の頻度や経過日数などの実績をもとに顧客を複数のセグメントに分けるもので、それぞれに適したアプローチを行うための指針を得る目的で用いられます。
この分析をもとに顧客ロイヤリティを可視化することによって、効率良く販売促進を行えるメリットがあります。
販売促進に欠かせない、既存顧客の存在
商売をするうえで必ず意識しなくてはならないのが、取引実績を持つ既存顧客の存在でしょう。
業種によっても異なりますが、売り上げの8割は既存顧客が担っているとも言われています。
もちろん新規顧客を獲得することも業績拡大のために欠かせない要素ですが、新規顧客の開拓にかかるコストは既存顧客の維持に要するコストの5倍近くかかるというデータもあります。
これは割くコストが同じであれば、既存顧客が5倍の売り上げをもたらしてくれることを意味しています。
新規顧客の開拓と並行して既存顧客のフォローを適切に行い、よりロイヤリティの高い顧客へと育成すること。
これが低コストで安定して売り上げを伸ばしていくために、極めて重要なポイントなのです。
CPM分析がなぜ大切か
一口に既存顧客といっても皆が一様ではなく、一度の利用で終わるお客様から数回利用するお客様、定期的に買い物をする常連客まで様々です。
それら、すべてを同等に扱うことは合理的ではありません。
新商品の案内などを目的としたメールマガジンを一斉送信する場合も、顧客全員に対して同じ内容のメールを送ったのでは、期待できる効果は薄いと言わざるを得ません。
看板商品のサンプルなどの案内は購入実績を持たない顧客には有用ですが、豊富な実績を持つ優良客にとってはあまり意味のない情報になるでしょう。
確実に顧客を育成して売り上げを伸ばしたいと願うならば、顧客によってアプローチを変える必要があります。
これが顧客分析であり、そのための手法としてCPM分析が役に立つのです。
4つの要素から10の顧客セグメントに
CPM分析でまずポイントとなるのは、次の4項目です。
- 購入回数
- 購入金額
- 在籍期間
- 離脱期間
これら4項目に加えてターニングポイントとなる金額や期間の設定を行い、顧客を次の10のセグメントに分類します。
❶初回現役客
❷よちよち現役客
❸コツコツ現役客
❹流行現役客
❺優良現役客
❻初回離脱客
❼よちよち離脱客
❽コツコツ離脱客
❾流行離脱客
➓優良離脱客
大きくは「初回」、「よちよち」、「コツコツ」、「流行」、「優良」という5つのステップから成り、さらにそれぞれが現役と離脱にセグメンテーションされています。
離脱客は、それぞれの現役客の最終購買日から設定期間が経過した客と言い換えてもよいでしょう。
購買頻度の期間や金額などは設定によって変わりますが、それぞれのセグメントの内容は次のようになります。
❶初回現役客
設定期間内に、初回のみ購入実績を持つ顧客
❷よちよち現役客
設定期間内に、2回以上の購入実績を持つ顧客
❸コツコツ現役客
設定期間内に、安定したリピート購入の実績を持つ顧客
❹流行現役客
設定した短期間内に、設定金額以上の購入実績を持つ顧客
❺優良現役客
設定した長期間内に、設定金額以上の購入実績を持つ顧客
❻初回離脱客
設定期間内に初回のみの購入実績を持つが、その後離れてしまった顧客
❼よちよち離脱客
設定期間内に2回以上の購入実績を持つが、その後離れてしまった顧客
❽コツコツ離脱客
設定期間内に安定したリピート購入の実績を持つが、その後離れてしまった顧客
❾流行離脱客
設定した短期間内に設定金額以上の購入実績を持つが、その後離れてしまった顧客
➓優良離脱客
設定した長期間内に設定金額以上の購入実績を持つが、その後離れてしまった顧客
顧客をステップアップさせるためのアプローチが重要
このようにセグメンテーションされた顧客データをグラフやチャートを用いて可視化すれば、全体の分布がさらに把握しやすくなります。
そしてセグメントごとの適切なアプローチを行うことで初回客をよちよち客へ、よちよち客をコツコツ客へとステップアップさせることができます。
初回客には3日後のステップメールを送る、よちよち客にはクロスセルの案内メールを送るといった対応はよく行われています。
優良客へは限定商品やイベントなどの案内を送ることで、特別感の演出もできるでしょう。
CPM分析結果の有効な活用は離脱客の割合を減らすことにもつながり、売り上げを継続的に伸ばしていく理想的な経営が可能になるのです。
RFM分析との違いは?
CPM分析と並んで用いられる顧客分析手法のひとつに、「RFM分析」があります。
これはRecensy(最終購入日) Frequency(累積利用回数) Manetary(累積利用金額)の頭文字を意味するもので、それぞれの要素によって顧客をランク分けし、上位に位置する顧客に対してアプローチをかけるための分析手法です。
RFM分析では、上位ランクの顧客をターゲットに効率の良いアプローチができる一方で、ランク外の顧客を育成し損ねるというリスクもはらんでいます。
CPM分析は、先述のとおり離脱期間を考慮に入れることで既存顧客のフォローを効果的に行えるため、RFM分析に代わる手法として注目されています。
まとめ
CPM分析は購買実績に応じて顧客をセグメントに分けることで、それぞれに最適なアプローチをするための分析手法です。
適切に行うことで顧客のロイヤリティを高め、販売促進へとつなげられるでしょう。