Made in Japanの定義とは?
- 2019/2/6
- つくる
- bragoku編集部
原産国を表記することの重要性について
日本製品は世界各国の中でも非常に信頼性に優れています。作った商品に日本製の表記ができれば、表記しない場合と比較して高く売れたり、日本製だから高くて当たり前だと評価してくれるからです。
ただし難しいのがMade in Japanと名乗れる商品は、どんな内容を指しているのかです。
今現在の商流は複雑化しており、原産国表示に関して国際的な共通ルールが存在しません。Made in Japanを名乗れる定義自体が、曖昧になっていることも事実です。
Made in Japanとは?
日本の法律で決められているのは、商品を製造する最終工程を日本で行えば、日本製と表記できることになっています。
下記の3つのうち、①は誰が見ても日本製だと分かります。しかし②③についても、日本製の表記が認められることになります。
上記以外にも例えば海外の部品を輸入して、また違う海外の人が製造したとしても、そこが日本の工場ならMade in Japanと表記できるのです。
アパレル業界などで中国製の生地を中国にある縫製工場で製作し、日本に輸入して仕上げのボタン付けのみを行った場合でも、日本製表記が可能です。ここまで極端過ぎる例はあまりないかもしれませんが、似たような例はいくつもあるでしょう。
最終段階以前の作業をどこで行ったのかは、メーカーが公表しない限り消費者が知る術はありません。
Made in Japanとならない物
では原産国表示について限りなくNGに近いグレーな商品と、Made in Japanと名乗れない商品について見てみましょう。
ほぼ全行程を海外で製造して、日本に輸入し梱包や検品のみ行った場合の商品です。最終工程が日本であれば、日本製の表記は可能ですが極めてグレーに近い商品になります。
日本でラベルを貼っただけ、検品を行っただけというような商品にはMade in Japanは付けない方が良いでしょう。
日本の企業が海外に工場を設立し、日本人が作った物であったとしてもそれは海外製品になります。
グレーな商品と比較してみれば、どちらかというとこちらの方が日本製と言いたくなりませんか? しかしあくまでも最終工程がどこで行ったのかというルールがあるのでこの場合海外製の表記になります。
世界貿易機関の原産地規則について
日本で日本製の表記ができたとしても、海外にその商品を輸出するとなると少し話が変わってきます。
日本製が世界に信頼性が高いのであれば、越境でも日本製として販売したいと思うのは売り手の当たり前な考えですね。特に化粧品やアパレル、サプリメントなどMade in Japanが有利になる業種もあります。
世界で日本製として販売するためには、WTOの原産地規則を知っておきましょう。
世界のルールでは商品の生産が2カ国以上になった場合、実質的な変更があった国を原産地と表記するとなっています。
そしてその変更については、HSコードが変更するくらいの新しい特性、と決まっています。HSコードというのは、商品を輸出入する際に品目分類に使用する輸出入統計品目番号のことを言います。
つまり品目の分類が変わるくらいの変更があった場合とされています。
日本製であることを貿易上で認められるためには、専門の機関にて原産地証明書を発行してもらう必要があります。
原産地証明書は目的によって種類がいくつかあるため、どの原産地証明書をもらうかによって日本製の基準も異なるのです。なぜ異なるのかというと輸出する商品について原産地判定基準が日本では存在しないからです。
一方輸入の判定基準は存在しますので、この輸入基準に照らし合わせた判定が使われています。
Made in Japanの定義は難しいですが、最後の梱包だけ、あるいはラベルを貼っただけのような製品は日本製とは言えないでしょう。
定義には幅がありますが貿易上では世界保健機構の原産地規則が適用されます。
日本企業が海外で商品を作った際に、Made by Japan などと表記し付加価値を上げる方法もあります。
ただ海外には類似品も多く、Made in Japan の表記に頼り過ぎず、ブランドの一つだと認識しておく程度にとどめておくと良いのではないでしょうか