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山口恵市 創出ノート 第3回 / 徹底的に真似をすることで新しいものが生まれる

こんにちは、山口です。
早いもので、このコラムも3回めになりました。今回は「つくる」ことについてお話します。

さて突然ですが、創造の対義語はなにか知っていますか?
答えは「模倣」です。
何かを新たに生み出すこと=創造
すでにあるものを真似てつくること=模倣、です。

模倣には新規性がないため、しばしばネガティブな論調で語られますが、私は何かをつくるには「模倣」は欠かせないと思っています。

私は幼稚園から小学生の頃まで習字をならっていました。書道教室では先生の書いたお手本を真似て、字を書く。模倣によって、運筆や文字の書き方を覚えました。何度も何度も同じ文字を書いて、良い一枚を仕上げる。
世の中には書家と呼ばれる書道の専門家がたくさんいらっしゃいますが、彼らも最初はこんな風にお手本を真似て、そこから自身の作風を生み出しています。これはなにも書家に限らず、音楽家でも画家でも同じでことで、最初のスタートはすでにあるものを模倣することから始まったと思います。

実際に私自身のデザイナーとしての経験に照らし合わせても、始まりは模倣でした。
新卒で入社した広告代理店の制作部で上司に言われた言葉があります。
「まずは真似をしろ」です。

デザイナーとして広告代理店に12年勤務していましたが、入社して最初の1年半くらいは、ずっと素材集めをしていました。具体的に言うと、上司から案件についての説明を受け、その案件の内容に即した写真素材や他社の制作事例など参考資料を収集し提出するという業務です。

そして次の段階として、自分が実際に案件の制作を任せられた際には、その参考素材の中から、自身の案件で打ち出したい内容が伝えやすいようなレイアウトや、印象的な写真、ビジュアル、興味を引くキャッチコピー、読みやすい書体と文字組などを、徹底的に「まずは真似をしろ」と言われました。
デザインの右も左も分からないやつが、いきなりオリジナリティのあるものなんて作れない。まずは、いいものを徹底的に真似して自分のものにしろ。オリジナリティは、そこからブラッシュアップしていけば自ずと出てくるものだ、と教わりました。

これは弊社が手掛けている「ブランド創出事業」についても言えます。
新しいブランドやビジネスをつくりたいと思いつつ、何から始めればいいか分からないという人はまず、模倣すべき成功事例を見つけましょう。常にアンテナを張って成功事例を見つけて、模倣をし、しっかりベースを身に着けてください。
そして大事なのはそこから、「自分の場合は…」と、自分なりの要素をプラスしていくことです。そうやって、『模倣』を踏まえた上でどんどんオリジナリティを追求していくことで、新しいものが『創造』できると私は思います。

山口恵市

山口恵市

投稿者プロフィール

1980年生まれ、福井県出身。
株式会社ファヴールマルシェ代表取締役社長。
20歳で広告代理店にグラフィックデザイナーとして入社。
自身が主体となってブランドをつくりたいと考え、ECを利用したブランドビジネスを行っていた会社に転職。

2014年、株式会社ファヴールマルシェ設立の折に、社長就任。
以後3年で生み出したブランドは約10件、商品は累計50点以上にのぼる。

2018年7月に初の自著「ニッチブランド革命ーデジタルマーケティング時代のヒットの法則ー」を上梓。

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