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インタビュー「株式会社博心 じぶんdeエステ」

20・30代をターゲットにSNSを駆使したPRで集客
幅広い年齢層が利用する予約不要のセルフエステサービス

セルフエステの「じぶんdeエステ」では、一般的なエステ専門店と違い、自分自身がマシンを操作してエステを行います。しかも低価格で予約不要ということで、リピーターも多くたくさんの方々が訪れます。いったい、なぜセルフエステというサービスが生まれ、大勢の顧客を獲得するに至ったのか。運営元である株式会社博心の取締役社長 古川美佐子さんに、サービス立ち上げからの経緯や集客戦略などについてお話を伺いました。

通っていたエステからマシンを購入したことから始まった
セルフエステ

株式会社博心/じぶんdeエステ 取締役社長 古川美佐子さん

━━セルフエステ「じぶんdeエステ」を始めたキッカケを教えてください。

古川 私自身、もともとエステに通っていたんです。ただ、1回2~3万円かかりますし、行けたとしても月1回程度だったので、残りの30日は自分でケアしないといけませんでした。そうなると、維持するのが精一杯で、減量までいかずなかなか効果は感じられないんですよ。もう少し通えればもっと痩せられるのにと、すごくモヤモヤした気持ちがありました。そこに美容格差を感じ、どうすればもっとキレイになれるのか、輝き続けられるのかと考えたんです。
そんなとき、当時通っていたエステサロンのオーナーが倒れて、施術ができなくなってしまったんです。そこでマシンを安く売ってもらえないか交渉をして購入。自宅でテレビを見ながらマシンを当てていたら痩せたんですよ。マシンが良ければ自分で行っても痩せると気付き、これをサービスにできるのではないかと考えたのがキッカケです。当初は自分が通うためにサービスを探していたんですけど、そういうお店がなかったので、私が通っていたサロンのオーナーの花田(花田真由子氏)と一緒に「じぶんdeエステ」を始めたんです。

━━業務用マシンは、素人でも簡単に安全に扱えるものですか?

古川 マシンの操作はとても簡単なんです。高額ですしエステティシャンが施術するので、危険で自分では扱えなそう、といった偏見みたいなものがありますが、エステは民間資格ですし、そんなに難しいことはありません。今はマシンのスイッチもタッチパネル操作なので、iPhoneを使える方なら誰でも簡単にできます。
各部屋にタブレットが置いてあり、操作方法や当て方などが動画で解説しているので、見ながらやって頂く形です。また、初めての方にはスタッフからレクチャーも行いますので、誰でも使えるようになります。お客様の中には80代の方もいらっしゃいますが、普通にマシンを扱われていますよ。

各部屋に設置してあるタブレットを使って、機械の使い方を動画で解説しています。

マシン以外にはできる限りコストを抑え、
宣伝はInstagramのみ

━━全店舗、各部屋にマシンを設置するのは、かなりコストが高いのではないですか?

古川 1台250万円するマシンもあります。それが全店舗で約800台ですから、確かにコストは高いですね。ただ最初からマシンだけは大手が使っている良いものを入れていました。逆に言うと、そこにしかコストはかけていません。消耗品などはありますが、人件費や宣伝費などもコストをかけずに運営しています。現在、スタッフは全店舗で約80名。営業時には3~4名、混雑時で5名ほどのスタッフがいますが、今後は減らしておこうと思っています。

完全個室のプライベート空間でセルフエステを行うことができます。

━━宣伝費をかけていないということですが、オープン当初もPRなどは行わなかったのですか?

古川 宣伝はInstagramだけです。正直に言えば、宣伝広告費をかけたくても、お金がなくてかけられませんでした。Instagramは無料ですから、これを活用しコツコツ更新していったんです。
当時は、他社でうちと同じサービスをしているところはなかったので、Instagram経由でヒットし口コミで広がりました。オープン時に0人だったお客様が、3カ月後には行列ができるほどになったんですよ。結果的に、Instagram効果でお客様が増え9店舗まで展開しました。

SNSでのライブ配信やアンケート機能で、
リピートにつなげる

━━各店舗の内装も、とても華やかでかわいらしいですが、やはりインスタ映えを意識されているのでしょうか?

古川 そうですね。その方が広告費をかけるよりも効果が高いんです。例えば階段を下から見ると企業のロゴになっていたら、カッコいいから拡散されてSNSで広がっていきます。ですからフォトスポットを作り、来店した際に可愛いと感じてアップしていただき、そこから興味を持ってもらえたら良いと思っています。

━━お客様にリピートしてもらうために工夫されていることはありますか?

古川 セルフだとスタッフとのコミュニケーションがなくなっていきます。ですから、うちは毎日15時からスタッフがマシンの使い方などをライブ配信すると決めているんです。実際、それを見て行きたくなったと、コメントいただくこともあります。SNSなど、ネットでの繋がりは大切にしていますね。また、Instagramのアンケート機能を使って、定期的にお客様の要望をお聞きして改善も行っています。

毎日スタッフがライブ配信を行い、お客様とコミュニケーションを図っています。

完全無人化&キャッシュレスに取り組み、500店舗を目指す

━━定額制以外に、都度払いのビジター料金もありますが、やはり定額制の方が多いのでしょうか?

古川 基本的に、約9割が定額制で通われています。以前、私はお花を扱う仕事をしていたのですが、お花は1個売ると終わりで、次買ってもらうのはすごく大変なんです。消費者は1回購入すると満足してしまうので、1回買って終わりではないビジネスがやりたいと思っていました。「じぶんdeエステ」を始めた当初は10分500円でしたが、1回来て客足が遠のくのは嫌だったので、使い放題にして定額制を導入しました。4種類ある料金プランの中では、1万円前後のプランが人気です。

━━SNSでPRを行ってきたとのことですが、ターゲット層もSNSをやっている世代が中心ということでしょうか?

古川 そうですね。だいたい20、30代のインスタ世代がターゲットですね。ただ、そこからお母様や妹さんに伝わり、来てくださることもあります。20、30代に伝えることで上の世代にも下の世代にも広がるので、来ていただくメリットが大きいんです。

━━最近は他にもセルフエステのお店が出てきていますが、他社との違いはどこにありますか?

古川 違いは料金の安さと圧倒的な部屋数、そしてマシンの多さですね。お客様に対応できる数は圧倒的だと思います。部屋数が少ないと予約が必要ですが、うちは予約不要です。マシンも店舗によって違いますが、だいたい6~8種類用意しています。お客様が飽きないように、常に最新のマシンを取り入れるようにしています。料金ももっと下げていこうと思っています。

最高級のマシンを納得いくまで試すことができます。

━━今後の展開について教えてください。

古川 今後は、完全無人化とキャッシュレスに取り組みたいと思っています。今はスタッフが各店4~5名いますが、2人など少ない人数で、なおかつ楽に働けるようにしたいですね。人件費を減らすことでさらに価格は下げたい。価格は下げますが、逆にサービスの質はどんどん向上させていくための方法を常に模索しています。店舗も、まずは5年以内に100店舗、いずれは500店舗まで増やしていきたいですね。

株式会社博心
じぶんdeエステ
取締役社長
古川 美佐子(ふるかわ みさこ)さん

株式会社博心
じぶんdeエステ
東京都港区麻布十番2丁目5番2号 JMNビル6階
TEL:03-6804-1290(博心)
TEL:0120-858-688
(じぶんdeエステ)
URL:https://jibunde-esute.com/index.html

撮影:安場 郁

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