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顧客の成功を目指すカスタマーサクセスが重要視されている理由

ここ数年でカスタマーサクセスという概念が重要視されるようになっています。
消費者に働きかける手法には様々なものがありますが、カスタマーサクセスはまだ聞き馴染みが無いと感じる人も多いかもしれません。
カスタマーサクセスとは何か、なぜ今重要視されているのか説明いたします。

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、サービスを利用する消費者が直面するであろう様々な問題や疑問点に対して積極的な支援を行い成功へ導くことです。
ここでいう消費者の成功は、商品やサービスを利用することによって様々な恩恵を得ること、ひいては幸せになることです。
この消費者の成功と幸せは、元々商品やサービスを開発する際の原点に必ずあるべきものです。なぜ今になってカスタマーサクセスという概念が重要視されているのでしょうか。

サブスクリプションモデルの普及

カスタマーサクセスが重要視されてきた背景にはビジネスモデルの変化、とりわけサブスクリプションモデルの普及があります。
サブスクリプションモデルは従来のように商品を消費者が買い取る方式とは違い、期間に応じた料金を支払って利用する方式です。
この方式が採用されている代表的な例に、コンピュータソフトの販売があります。以前はCDなどに収録する形で販売されていたソフトが、今ではサブスクリプション方式でオンライン販売される形に変わってきています。
このようなビジネスモデルにおいては、メーカーは商品を売ったらそれで終わりというわけにはいきません。商品を継続して使ってもらうため、また新商品にも興味を持ってもらうために、継続的なケアが必要になります。

カスタマーサクセスの推進によって得られる効果

カスタマーサクセスに力を入れることで得られる具体的な効果として、「アップセル」と「クロスセル」が挙げられます。

アップセル

アップセルは購入した商品の上位モデルへの乗り換えを指す言葉です。
より上位の製品を購入してもらうことで顧客の売り上げ単価が上がるため、売り上げアップに直結する重要な要素です。
コンピュータソフトの場合ではまず機能を限定したバージョンを安価で販売した後に、より多機能な上位バージョンの販売へ繋げることがアップセルに該当します。
健康食品の通信販売などでも、単品でのお試し購入の後に定期購入やまとめ買いの形でリピートへと繋げるケースがありますが、これもアップセルの一例といえます。

クロスセル

クロスセルは上位モデルではなく別の商品を販売することで、購入済み商品と関連のあるラインナップを提案するなど様々な手法が介在する部分です。
アップセル同様、新規顧客を開拓するのに比べて効率良く売り上げアップを見込めることから積極的に行われています。大手通販サイトなどによく見られるお勧め商品のリストアップにはレコメンドシステムが使われていますが、クロスセルを促す意味でも非常に効果的な手法といえます。

カスタマーサクセスの成功が好循環を生み出す

カスタマーサクセスの結果、アップセルやクロスセルが促進されると、顧客もより多くの成功体験を得ることにつながります。そのような顧客は企業に対するロイヤルティが高まり、新規顧客を開拓する呼び水となってくれることがあります。
そうして獲得した新規顧客に対しても積極的にカスタマーサクセスを行うことで、さらなる売り上げアップに繋がるという好循環が生まれるのです。

カスタマーサポートとの違いについて

カスタマーサクセスはCSと略されますが、同じ略称を持つカスタマーサポートと混同されることがあります。両者の違いについても説明しておきましょう。
ともに消費者への対応を意味する言葉ではありますが、最も大きな違いは基本となる対応姿勢が「能動的」か「受動的」かという点にあります。
消費者の問い合わせを受けて対応するカスタマーサポートは「受動的」ですが、予想される問題点に対し積極的に先回りして対応するカスタマーサクセスは「能動的」です。
目的となるゴールもカスタマーサポートの場合は問題の解決ですが、カスタマーサクセスは消費者および顧客の成功である点で異なっています。

顧客満足を意味するカスタマーサティスファクションもCSと略されることがあるため、混同しないよう気を付けましょう。
基本的に前後の文脈などから全称を断定できないような状況では、ユニークでない略称を使うべきではありません。

まとめ

カスタマーサクセスは商品やサービスを利用する消費者を能動的に支援し成功へと導く手法です。
サブスクリプション方式のビジネスモデルが普及したことでより重要視されるようになり、アップセルやクロスセルを促進する目的としても活発に行われています。質の高いカスタマーサクセスを行うことは、事業を好循環へと導く優れた方策でもあります。

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