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なぜ中国ではインフルエンサー(KOL)が人気なのか

経済産業省の「通商白書(2018年度版)」によると、2016年の世界のB2C EC市場規模は、約2.4兆ドルとなり、中国が世界全体の4割を締める最大のEC市場国となっています。また、中国はEC化率においても19%と、世界を牽引しており、近年中国国内でのEC利用は目覚ましいものとなっています。(経済産業省 通商白書2018)
このような中国経済の発展のなかで、富裕層、中間層を中心に多くの国民が通販を利用していますが、そこにはインフルエンサーの影響も大いにあるようです。

中国でのインフルエンサーの現状

今や消費大国となった中国。とりわけ昨今は、国内消費・国外消費ともに中間層が勢いを増しています。その背景には淘宝(タオバオ)や天猫(Tmall)などのECプラットフォームや、WeiboやWeChatのようなSNSやライブ配信アプリの普及などが挙げられます。
そしてそれらの発達・普及とともに、中国ECに欠かせない存在として、インフルエンサーがあります。中国版インフルエンサーは、KOL(Key Opinion Leader)もしくは、網紅(ワンホン)と呼ばれます。
日本でも「インフルエンサー」という言葉は定着しましたが、中国のKOLたちは日本のインフルエンサーに比べて、より大規模で、ますます拡大・浸透しています。中国の調査会社iResearchと微博によると、2018年4月現在、weibo上でなんらかのKOLをフォローしているファンは、中国全体で5.88億人おり、前年比で25%増加しているといいます。
(中国网红经济发展研究報告(2018年))

注:写真はイメージです。

中国人インフルエンサーのなかから、中国のEC界でもっとも影響力のある人物の一人、ジャン・ダーイー(張大奕)さんを紹介します。
彼女は元々モデルとして活躍していましたが、2014年にタオバオ上に自身のショップを出店。その翌年の2015年、中国EC最大のイベントである「独身の日」に、2時間で約3億4,000万円を売り上げる一大記録を打ち立てました。
彼女はフォロワー数が500万人おり、ライブ配信で各種アイテムを視聴者にプレゼンします。紹介する品物は、化粧品や洋服など、さまざま。プレゼンの間にも、視聴者からは着心地やサイズ感、価格についてなどの質問が次々と寄せられます。それに対して彼女もきちんと回答し、ライブ配信中に視聴者と配信者が双方向にコミュニケーションをとって、様々なアイテムを販売しているのです。

なぜ中国人はインフルエンサーを信頼するか

では、何故中国の人たちは、インフルエンサーを支持するのでしょうか。
その背景には、中国ならではの文化的な要因があります。中国には圏子(チェンツ)という文化があります。圏子の説明はやや難しいのですが、自身と同程度の経済基盤、ライフスタイル、あるいは同じ趣味などを持つ人々で構成されたコミュニティで、強い絆を持った仲間であり、同じ圏子に属するメンバーは、いわゆる「身内」同士のような感覚を持ちます。圏子の結束力や団結力は私たち日本人の想像を超えており、横並び意識も強いものです。
つまり誰かが圏子のなかでランクアップしたならば、それになぞらえて他のメンバーも同じようにランクアップしようとします。また、そのための相互扶助も行います。

圏子内では常に情報が共有され、仲間の情報は国の情報よりも信用されます。例えば圏子の誰かが、ある洋服を購入し、高い評価を仲間に伝えたとします。圏子メンバーはその評価を疑うことはありません。それが口コミなどで拡散し、別な圏子で共有され、さらに拡散することになります。
このように、中国では「人」ベースで、信用できる情報の収集を行ってきたのです。そしてこの「圏子」の存在が、現在の中国流インフルエンサーのベースとなっています。ファンにとってインフルエンサーの存在は、自身が「信頼できる個人」であり、そのインフルエンサーが紹介するアイテムは良いものだと信頼できる―という訳です。

どうやってインフルエンサーを活用するか

さて、前述のとおり、中国では文化的な背景からも、インフルエンサーの存在が深く受け入れられています。そこで日本企業が越境ECなどに挑む際にKOLを起用するのは有効なマーケティングの一手と言えるでしょう。
しかし一口にKOLといってもいくつかのタイプがいます。
例えば性別。以前は女性の方が多い比率でしたが、前述の調査によれば、現在の男女比はほぼ半々です。年齢についても、80年代生まれが54.0%、90年代生まれが31.8%を占めます。
一方、KOLのフォロワーも男女比では、2018年5月の時点で男性が6割、女性が4割となっています。年齢に関しても、19~22歳が24.2%、次いで26-29歳が20.0%、30~39歳が19.3%、23~25歳が18.4%と続きます。
また、KOLが扱うジャンルも、お笑い、ファッション、美容、グルメ、ヘルスケア…と多岐にわたっています。
そのため、ブランド・商品と、インフルエンサーのジャンルやキャラクター、支持層が一致するかどうかを踏まえて起用する必要があります。

では、ブランドイメージに合致するインフルエンサーはどのように見つければよいのか?

一番手軽なのは、エージェントや代理店を使用することです。
インフルエンサーを活用し、ビジネスとして展開する意図を持つ企業は、日本でも欧米でも多く存在しますが、中国でも同様にインフルエンサーのエージェントや代理店が多くいます。中には芸能事務所のような機能を持つ企業もあり、かなり利益を出していると言われています。
仮に日本企業がインフルエンサーを起用して広告展開を行う場合、このようなエージェントを介することになるでしょう。しかし、莫大な手数料を支払った割に効果がなかった、ということもありえます。
エージェント側に問題があるケースもありますが、企業側にエージェントを選別する目がないとも言えます。単にエージェントに全て任せるのではなく、中国の国内事情や文化などをよく把握し、確かな選別力を持つことが大切です。

まとめ

中国における買い物動向は非常に伸びています。生活必需品から贅沢品へ。経済成長に併せて、消費者の消費意欲も高まっており、インフルエンサーのファン=フォロワーも増え続けています。そして、それらの拡大に伴って、市場に対しても大きな影響力となっています。ですので、今後越境ECに取り組む上でも、インフルエンサーの活用は重要な戦略の一つと言えるでしょう。

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